2012年9月20日木曜日

Django Atourのシルバー・スタッズ

はばかりてすがる十字架や夜半の秋 不器男

 月はじめからなにかと忙しく、ブログを更新できませんでした。今後は、週に一度(或いはそれ以上)は更新できるようにしたいと思いますので、引き続きご愛顧のほどをよろしくお願いいたします。

 さて、僕はある一日の装いを考えるとき、何かひとつのアイテムを軸とすることが多いです。それは靴だったりネクタイだったりシャツだったり、あるいは服飾小物だったりと様々ですが、不思議とスーツやジャケットなどのいわゆる「大物」から発想することはあまりありません。ひとの目に留まるか留まらないかという程度にしか見えないアイテムですが、そうした部分にこそ心を尽くしたい、という潜在意識の顕現なのかもしれません。

 今回紹介するのは、Facebookで年長の畏友のウォールをのぞいたときにふと出逢った、Django Atourの服飾小物です。「不易流行」「温故知新」ということばが実質としてすべての作品のなかに込められてい、しかも価格も控えめな設定にされており、とても魅力的なメーカーだと思います。重衣糧にこそDjango Atourの真髄はありそうですが、とにかく試しに、誂えのシャツのためのスターリング・シルバー製スタッズと、コットンリネン・クラバットを購めてみました。ベル・エポック期を彷彿させる文様が美しく、ベロアの巾着袋もいい雰囲気です。


 既製シャツのフィット感がどうも僕にはしっくりこないため、数年前からAlessandra Mandelliというミラノ近郊のシャツ職人さんにお任せすることにしています。これはミラノの著名仕立て屋Mario Pecoraか、その弟子の佐藤英明さんの仕立て屋ペコラ銀座でしか注文できないそうです。
 襟型や仕様には、かつて追いかけていたベル・エポック的な要素を入れ込んでお願いしているので、 他の方が注文されているシャツとはちょっと異なるものが多いかもしれません。佐藤さんと雑談しつつ生地を選び、あれこれアイディアを思案する時間もまた愉しいものです。


 届いたスタッズをダブル・ホール仕様の誂えシャツにつけてみると、こんな感じになりました。普通のタブ・カラーではなくなぜこのようにしたか、というと、作家のトム・ウルフがKabbaz-Kellyというシャツ屋に注文したものの印象が強かったからです(どのようなシャツだったのかについては、A Suitable Wardrobeの記事をご参照ください)。一旦着用しネクタイを結んでしまうと、自分以外の誰からも窺えないデティールですが、誂えの愉しみはやはりこのような「めにはさやかにみえねども」という部分にあるのではないかと考えています。
 
 先日届いたArnysの"La Cravatte d'Atelier"(アトリエ・タイ)が素晴らしい雰囲気だったので、それを次回は紹介したいです。

 少しずつ秋風が吹き渡るようになってきた夜には、Barry Manilowのヴァージョンの『素直になれなくて』が沁みます…